糖尿病 Q & A

Q:糖尿病になぜなるのでしょうか?

A:どんな人がなりやすいか、ということであれば、ストレス、肥満、遺伝、暴飲暴食、暴食、加齢、運動不足、妊娠等が原因や契機になって糖尿病が発症します。

Q:糖尿病は治るのでしょうか?

A:ふつうの病気が治るという意味では治りません。肺炎や虫垂炎(いわゆる盲腸炎)のように、薬や手術ですっかり良くなるのとは違います。糖尿病の原因になっているインスリン分泌の不完全な状態そのものを正常に戻すことは現在できません。しかし、食事と運動の基本を守って、必要に応じ飲み薬やインスリン注射の助けを借りて、良い状態に保たれていれば健康な人と同じように日常生活を送ることができます。

Q:“尿糖が陽性”だと糖尿病ですか?

A:尿に糖が出ているというのは、“血液中の糖が尿にもれる”ということで、血糖が高いらしいという注意信号です。病気の早期発見のきっかけにはなりますが、一概に糖尿病と決め付けるのは間違いで、糖尿病と診断するには、次のステップとして血糖検査を受けなければなりません。また、逆に糖尿病でも尿に糖が出ないこともあります。

Q:なぜ食事療法をしなければならないのですか?

A:糖尿病の患者さんの場合、インスリンの分泌や作用不全のためとった食事を効率よく利用することができません。そのため、必要以上に食事(エネルギー)をとると、それは過剰となり、その分血糖を上昇させてしまいます。その結果、インスリンとエネルギーの需給関係がさらに不良となります。したがって、食事量を必要最小限に抑え、インスリンの必要量を減らすことが治療につながります。

Q:糖尿病では水分は制限したほうが良いのですか?

A:反対に、血糖が高い状態では血液の浸透圧が高くなり脱水傾向にあるので、むしろ水分は多めにとってください。ただし、糖分を含んだ飲料水は避けて、水、お茶などの糖分を含まない水分をとってください。

Q:一度合併症を起こすと治らないのですか?

A:糖尿病は一生つきあっていく全身の病気なのですが、症状がないので血糖コントロールや定期検査を怠っていると合併症に気づかないことがあります。でも、合併症がみつかったからといってむやみに不安になったり、落ち込んだりしないでください。色々な治療法や対症療法がありますし、早期であれば改善も十分可能です。

Q:インスリン注射はしたくないし、一度始めると一生続けなくてはならないのでは?

A:インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで素性のはっきりした薬です。それに対し、これはどんな飲み薬でもそうですが、飲み薬はある程度どのような作用があるかは分かっているとはいうものの、今ひとつ得体の知れないものです。注射という手段自体にアレルギー反応はあるでしょうが、あくまでもインスリンは生理的な物質なので安心してください。また、それまで飲み薬で血糖が下がっていたのに効かなくなった等の理由でインスリンに切り替えを勧められる場合、高血糖の持続によって一時的に膵臓が疲労していることが多く、その場合、早くインスリン注射でインスリンを補ってあげることで膵臓の疲労がそれだけ早く回復します。つまり、インスリンを中止できる可能性は、注射を始めるのが早いほどその可能性が高くなる、と言えます。

Q:HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは何ですか?

A:血液中の赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)と血液中のブドウ糖が結びついてHbA1cができます。血糖値が高ければ高いほど、それに並行してHbA1cも高くなります。通常の血糖検査と異なり、食事や運動の影響を受けず、採血から振り返って1−2ヶ月間の全体の血糖コントロール状態を反映します。合併症を防止できる目安としては、HbA1c 6.5%未満が望まれます。

Q:低血糖とはどんなことですか?

A:血液中の糖分(血糖)が少なくなりすぎた状態で、手足のふるえ、落ち着かない、冷や汗、動悸、空腹感、めまい、話しにくい、混乱、集中できない、などの症状が起こります。ひどくなると、けいれんを起こしたり、意識を失う(昏睡)事もあるので、糖尿病の飲み薬を服用中や、インスリンを注射している場合に特に注意が必要です。また、低血糖が起こった時の対処方法はクスリによって違います。自分でのんでいるクスリのことはきちんと知っておくようにしましょう。

Q:アルコールは飲んでも良いのですか?

A:アルコール類は食事療法を乱す大きな原因になるので、できるものなら禁酒するほうが良いのですが、つきあい上必要なこともあるでしょう。アルコール自体にもエネルギーはありますが、糖質、蛋白、脂肪などの栄養素とはまったく異なり、体の中でエネルギーとしてどのように利用されるのかは場合によって変化します。また、大量に飲むと逆に低血糖を起こすこともあって、糖尿病の飲み薬を服用している場合は特に危険です。普通は一日の食事量を減らさないでアルコールを加えるので、ふだんから血糖コントロールが良好に保たれていない限り、アルコールを追加することはできません。

Q:一般的な血液検査の項目の意味はなんでしょうか?

A:検査項目の意味

検査項目 意味
総蛋白(TP) 血清中のたんぱく質の総量。その多くは肝臓で合成される。肝疾患、栄養状態などをみる。
尿酸(UA) 細胞の核を構成するプリン体が分解されてできる老廃物。痛風や尿酸結石の原因になる。
尿素窒素(BUN) たんぱく質代謝の最終産物。腎臓の働きが低下すると血中の値が上昇する。
クレアチニン 筋肉内でクレアチンから産生される。BUNと同じく腎機能が低下すると血中の値が上昇する。
Na 電解質。細胞外液中(主として血液)の総陽イオンの90%を占める。
K 電解質。主として細胞内液中(主に血液中)に存在する陽イオン。
Cl 電解質。NaClとして大部分細胞外液中に存在する陰イオン。
総コレステロール 食事による摂取・体内での生合成・胆汁酸等としての排出などのバランスによって保たれる。
HDL-コレステロール 血液中の余分なコレステロールを運び出してくれるため、「善玉コレステロール」と呼ばれている。
LDL-コレステロール これが血中に余分にあると血管壁に沈着して動脈硬化を促進するため、「悪玉コレステロール」と呼ばれる。
中性脂肪(TG) エネルギー源としての脂質で、消費されなかった余分なものは、皮下脂肪や内臓脂肪として貯えられる。血中に多いと、動脈硬化が促進されるほか、急性膵炎や脂肪肝を起こすことがある。
総ビリルビン(T-Bil) 肝疾患・胆石などで黄疸がある場合に上昇する。ただ、採血後に溶血(赤血球がこわれること)を起こすと上昇する。
AST(GOT) 肝臓や心筋・骨格筋・赤血球などに多く含まれる酵素。GPTの値と比較しながら疾患を推測する。
ALT(GPT) 特に肝臓、ついで腎臓の細胞内に多く含まれる。GPTは、GOTに比べて肝障害に特異性が高い。
ALP 肝臓・腎臓・骨・腸など体内の様々な臓器に含まれている酵素で、これらの臓器に障害があると血液中で高値になる。
γ-GTP 肝臓の解毒作用に関係する酵素で、肝臓や胆管に障害があると高くなる。飲酒の影響が大きい。
コリンエステラーゼ(ChE) 肝臓で生成される酵素。肝臓の働きが低下すると血中の値が低くなる。
LDH エネルギー代謝に関係する酵素で全身の細胞に存在。そのため、どの臓器が損傷されても活性値が上昇。
TTT 急性・慢性の肝疾患で高値になる。高脂血症・膠原病・感染症でも高値を示す。
ZTT 血中γーグロブリン量と強い相関があり、慢性肝疾患・悪性腫瘍・自己免疫性疾患などで高値を示す。
CPK 骨格筋・心筋・平滑筋・脳などに分布する酵素で、これらの臓器が損傷を受けると血中で上昇する。
グルコース(血糖) 血液中に含まれるブドウ糖の値。空腹時には110mg/dl未満、食後で140mg/dl未満が正常。
ヘモグロビンA1c(HbA1c) 赤血球中のヘモグロビンと血液中のブドウ糖が結合したもので、赤血球の寿命(約120日間)の間血中に存在するので、過去1−3ヶ月間程度の平均血糖値を推測できる。糖尿病の診断や、血糖コントロールの指標にされる。
CRP定量(C-反応性蛋白) 細菌感染症・膠原病・心筋梗塞・悪性腫瘍・外科手術後・分娩後など急性炎症や組織崩壊がある時血中に増量。
蛋白分画 電気泳動を用いて蛋白を5つの分画に分け、それらの各分画の増減から病態診断に役立てる。
白血球数(WBC) 体を細菌やウイルスから防御する細胞。血液中に増えると何らかの感染症が疑われる。
赤血球数(RBC) 肺で取り込まれた酸素を全身の組織へ運ぶ。RBCが減少すると組織への酸素の供給が減り、貧血症状として動悸・息切れ・頭痛・めまい等が起こる。
Hb(ヘモグロビン・血色素) 赤血球の成分の一つでHbに含まれる鉄分が酸素とむすびついて酸素を全身に運ぶ。
Ht(ヘマトクリット) 血液に占める赤血球の容積の割合を%で示した値。
血小板 血液を凝固させて出血を止める働きをする血球成分。減少すると出血しやすくなったり、止血しにくくなる。

Q:食事療法というのは実際にどのようにすれば良いのでしょうか?

A:単に食事の量を減らせばよいとか、糖分をとらないようにすれば良いというわけではありません。基本的には、医師の指導のもと、一日の摂取カロリーを決め、そのカロリーの範囲内でバランスの良い食事をします。日本糖尿病学会編「糖尿病治療のための食品交換表」(文光堂)を利用するのが便利です。「食品交換表」では、様々な食品について、80kcalを1単位と決めてあり、1単位1単位分の各食品が何グラムかで書かれています。表は6種類あり、それぞれの表の中には栄養素組成の似たものがまとめられていて、表の中の同じ単位数同士ならどの食品をとっても良いようになっています。慣れると、非常に使いやすいように作られています。

Q:食事・運動療法を行っていても薬は必要ですか?

A:食事・運動療法で血糖が十分コントロールされれば薬は必要ありません。しかし、それだけでは十分にコントロールされない場合に補助的な役目を果たすのが経口血糖降下薬とインスリン注射です。ただし、自分の膵臓からインスリンがほとんど出なくなった1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)の患者さんでは、インスリン注射は必須となります。

Q:経口血糖降下薬とインスリン注射の違いはなんですか?

A:どちらにも血糖を下げる作用があります。経口血糖降下薬には、膵臓を刺激してインスリンを分泌させる薬や、小腸からの糖の吸収を遅らせる薬、インスリンの効きを良くする薬などがあります。いずれの薬も、ある程度は自前のインスリン分泌のある方に使います。一方、インスリン注射の方は、インスリン分泌がほとんどない1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)の患者さんや、経口血糖降下薬で効き目の悪い患者さんなどに使います。自分の体内でできないインスリンを体の外から補うという意味があります。

Q:低血糖になったらどう対処すれば良いのですか?

A:低血糖症状が起きたら、ブドウ糖(5-10g)またはブドウ糖を含む清涼飲料水(150-200ml)、砂糖(10-20g)を摂取したり、低血糖対策用の食べ物(チョコレート、飴玉など)をとると症状は回復します。そのため。常にこれらの糖分を携行する必要がありますし、低血糖の症状を疑ったら、まだ大丈夫と思わずにどんな場面でもすぐに対処しましょう。特に、車の運転中は車を停めてすぐ対処しましょう。αーグルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、グルコバイ)をインスリンと併用中の場合は、特にブドウ糖で対処する必要があります。

Q:インスリンを打ち忘れたり、持っていなかったらどうすれば良いでしょう?

A:食前のインスリンを打ち忘れて食べ始めたり、食べ終わってから思い出した時は、すぐに所定の量を注射します。予定外の食事でインスリンが手元にない時は、血糖値が急速に高くなりやすい食品は避けて食べ、食後それほど経っていなければ帰宅してからインスリンを注射しましょう。そして、このような場合の対処法については、主治医とあらかじめ相談しておきましょう。

以下は、栄養士さんからのQ & Aです。

Q:朝は食欲がありません。1日2食ではいけませんか?

A:朝食や昼食を抜くと1回の量が増えますから血糖値を不安定にする原因となります。少なくとも3回以上に分けて1回量を少なくすれば食後の過血糖を防ぐことが出来ます。

Q:外食をする事が多いので、どうすれば良いですか?

A:なるべく一品料理ではなく定食を選びましょう。一品料理を選ぶ場合、野菜を多く使っているものを選んだり、何品か組み合わせて、栄養のバランスがとれるようにしましょう。揚げ物などは高カロリーなので、量に気をつけましょう。野菜サラダなどのドレッシング類は、食べる時によけたりする等の工夫をしましょう。食事の量は、一日の指示単位の1/3量を目安にしましょう。

糖尿病についてさらに詳しく知りたい方は糖尿病Q&A1000(糖尿病NET)をご覧ください。

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